今まで、第一セクター(公共)、第二セクター(民間)、第三セクター(半官半民)といったカテゴリー分けが行なわれてきました。特に第三セクターに関しては赤字経営のお手本といったイメージが強く、日本人にとってはあまり良い意味の言葉としてはとらえられていないかもしれません。
公共であるから採算を無視しても良い、民間だから営利を追及するといった両極端に走らずに、採算を重視しながら社会的存在価値を重視するという社会的企業が最近注目を集めてくるようになってきました。
そういった社会的な問題解決にあたる非営利企業に個別に支援をしたいと考えている個人や組織も多いのではないでしょうか。しかしながら、寄付税制の整っていない日本では、運営が難しいのが現実のようです。
私は、公共サービスを支えるもう一つの大きな柱として、この非営利企業に大変注目しています。そして、その運営が政府や地方自治体の補助金ではなく、その活動の意義を重視する多くの個人から支えられるような仕組みが必要ではないかと考るようになってきました。
私の考える第四セクターとは半民半個、つまり民間の非営利団体と個人の寄付者が作る新しい運営母体という概念です。
例えば森林の整備事業を考えてみましょう。非営利団体が森林を管理します。そして、その中で間伐材や森林で採れるきのこなどの食品を流通させ活動資金とします。森林の保護を重要視する個人はその団体へ寄付を行ないます。寄付者は森林が生み出す様々なもの、木工品や食品、そして森林体験といったものをその対価として得ます。(株主優待制度のようなものです)
寄付者は、その生産物を通じて自分の周りの人々に森林の保護について語ることもあるでしょう。それが大きな連鎖になって疲弊した林業に活路を見出すことができるようになるかもしれません。
森林事業として思い出すのは林野庁が行なった詐欺まがいの森林オーナー制度です。これはあくまで利殖を目的としたところに大きな間違いがあります。第四セクターに寄付をする個人はあくまで寄付として資金を提供するのですからその対価を期待はしません。しかし、金銭的ではない対価があることで寄付に対するモチベーションは高まります。ここが証券化商品に投資することとの大きな違いです。
森林保護だけではなく、例えば芸術活動においてもその芸術を愛する人の寄付によってそれが継続されれば豊かな社会も実現しそうな気がします。
政府の役割はそれらの活動に対し補助金を与えるのではなく、厳格な審査をすることです。そして、審査を通った非営利団体に対する寄付行為に大幅な減税を行ないます。そうすることによって、税金徴収からその再配分という深い税金の闇を通さずに、効果的に公共サービスが提供されるようになります。
事業仕分けも良いのですが、歳入を分配する為のコスト(天下りの人件費など)がいかに無駄であるか。それこそまさに仕分けしなければならない時に来ているのではないでしょうか。
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