前回に引き続き第四セクター(個人寄付者の資金提供による非営利団体)を見ていきたいと思います。
その前になぜ第三セクターが赤字を垂れ流すことになったのかを考える必要があります。第三セクターはその運営がうまくいってもいかなくても最後は行政が補助金という形で補填する。そういった気の緩みがどうしても内部の統制を緩めてしまうという点があります。働く能力があるのに働かないで家に引きこもる若者が多く、ニートと呼ばれて久しいですが、彼ら・彼女らもやはり親世代の損失補填の上に成り立つという意味では同じことかもしれません。
しかし、個人寄付者による資金で運営される場合、その状況は変わります。寄付する個人はその分野に興味・関心のある人たちが多いでしょう。自分のお金を何に使って欲しいか明確に持っている人たちです。その人たちから預かったお金で運営するわけですから、運営者の気持ちの持ち方は違ってきます。
気持ちの問題だけではありません。毎年度会計報告を寄付者へ開示しなければならないという仕組みにすれば、さらに運営状況が多くの人に細かくチェックされます。ここで開示情報に疑問がある場合は監督官庁へ個人の寄付者からの調査依頼もあるとすれば、運営者は常にその組織をよりよいものにしていく義務を負うことになります。
また、特定の団体や個人に利するような団体運営をすることも排除しなければなりません。それには個人の寄付口数を制限するなどの方法が必要になるでしょう。
次回は、資金の集め方に関して話をすすめたいと思います。
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