少子高齢化の進展により、現状の経済活動を維持する前提では労働力が不足してくるとの予測が各方面から出されている。高齢者や女性を労働力として動員するという対策の他にも避けて通れない問題が外国人雇用問題だ。
先日の野村證券でのインサイダー取引問題でも外国人社員がその首謀者となっていた。かつて、新聞報道によるとかつてこの部署は花形であり、絶対に不正などしないという暗黙の了解のようなものが企業文化として根付いていたそうだ。しかしながら、そのような阿吽の呼吸といった企業文化は外国人労働者にとっては理解しがたいものであり、そこに問題が潜んでいるのではないかという分析であった。外国人が悪いと一方的に断罪することはあってはならない。もちろん犯罪を犯す人は外国人であれ日本人であれ等しく罰せられるべきである。
当社の関連会社では飲食店経営を行っているが、そこでも最近は外国人留学生の雇用も増えてきている。やはり日本語の習得が未熟な留学生に関しては他のスタッフとのコミュニケーションが難しく、なかなか指示が行き届かないといった問題が起こりつつある。ここでも日本の文化や習慣に基づいた自己判断を彼ら彼女らに求めるのは酷な話であろう。
従業員のモラルや善意に頼った経営というものをしている企業は、今その変革を迫られている。不正はそれをした従業員が一番悪いのは当然だが、それをさせない仕組みづくりというのにも取り組まなければならない。そして、その中で従業員の創意工夫が活かせる創造性もモチベーションの維持には必要だ。そもそも不正が起こりにくい仕組みを構築した上で従業員にやりがいを持ってもらえるそんな企業作りが必要だ。
ガバナンスとかコンプライアンスといった言葉もよく耳にするようになったが今後の企業運営に欠かせない要素であることは間違いない。そこにどれだけ企業独自の創造性を社員が発揮できるかというのがまさに「企業文化」ではないのだろうか。
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