NHKで放送記念日にあたって新動画時代という番組が放送された。そこでの米国や英国でのテレビ局の事例が面白い。アメリカABCではガソリンスタンドや病院、フィットネスクラブなどへインターネットにつながったモニターを用意し、そこへターゲットに合ったコンテンツを流し、ターゲットに合った広告を配信するというものだ。
放送局は電波法や放送法に守られた商売を長らくやってきたが、今プラットフォームは電波だけではなくなった。しかしながら日本の場合まだテレビ局が制作したコンテンツは他の媒体へは流れていかない。出演者などとの契約が放送を前提に作られているのも一因だろう。
素人動画が力強く成長しているが、素人が動画を作れば作るほどテレビ製作業者のコンテンツ制作力が際立ってくる。それほどプロの仕事というものはすごいものだ。そのコンテンツが24時間という枠の中のCM枠だけであれだけ莫大な収益をあげているのであれば、例えば全国の銀行の窓口にテレビを用意し、そこに営業時間中金融口座などの情報を提供しながら顧客に合ったコマーシャルを流すことになればその収益力は一段と力を増すのではないだろうか。
NHKが大相撲を初めてラジオ放送しようとしたとき、当時の相撲協会は「タダで情報を流したら観客が居なくなる。観客収入でやっているんだから」と反対したそうだ。なんだか分からないもの、今の自分の領分を犯しそうなものには拒否感を持つのはいつの時代も同じだ。だがテレビはテレビの役割があるし、劇場・スタジアムにはその使命があり廃れるものではない。
新動画時代とは何か。 やはりメディア中心のビジネスモデルではなく、コンテンツ中心のビジネスモデルへの変換の時代だと思う。
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