世の中謝罪会見ブームである。ミートホープにはじまり、船場吉兆まで毎日のように謝罪会見が行われている。視聴者の方も謝罪会見慣れしてきて、どの社長が信頼に足る人物かというのが推し量れるようになってきた。実際謝罪会見で株を上げた人もいれば、会社が存続できなかった人までいる。
そんな謝罪会見ブームの中、謝罪会見のコンサルタントという職種も注目を浴びている。リスクマネジメント全般をコンサルティングするところもあるが、謝罪会見の「見せ方」の指導を行うといったところも出てきているようだ。
ネクタイはこんな色だとか、謝罪の時の頭の角度は何度だとか、進行から退場までの一連の会見を事前にリハーサルしたりもする。一般的に日本で教育を受けた人は人前で的確に話を展開することを不得手としている人が多い。世の社長もその中の一人だろう。そこへ、いきなり何十人ものマスコミとカメラが押し寄せて来たらおそらく会社の本来の姿や本当に伝えたいことを伝えられる可能性は大きく下がってしまう。
大きな組織であればあるほど、法令違反や不祥事などのリスクは付きまとう、今までは情報をもみ消すという戦略でも一定の効果を上げていたものが、インターネットや携帯などの情報ツールで瞬く間に世間に広まってしまう現在は、もみ消すという戦略は全くの逆効果をもたらす可能性が高い。それよりも事実を認め、今後の再発の防止のためにいかに行動するかを示すという手法が重要性を増している。見せ方も大切だが、そもそも不祥事に対する姿勢も変えていかなければならない。
経営陣自らの不祥事はもはやどうしようもないが、日々行われる謝罪会見を見ていると、中にはこの会社は応援しようと思ったりもする会社もあるものだ。
あまり謝り上手にはなりたくないものだが、危機を乗り越えて成長した会社は強いものだ。
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