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犬が掘り起こす車ファン ホンダの愛犬家サイト人気
都会では自動車に乗らない若者が増えている。
そんなことより今日の雨、傘が無い・・・
自動車の所有がステイタスだった時代ではなく、自動車を買わない選択をする人もいる。私の知人もタクシー&新幹線&飛行機で日本中を駆け巡っている。自動車を持つこと時代が目的で無くなったとき、新しく買う理由とはなんだろうか。
ペット市場はその規模の大きさもながら、ペットに愛情を多く注ぐ人たちも多い。彼ら彼女ら飼い主にとってペットは家族であり、家族が快適に生活できることにはコストをかけている。
そんなペット関連市場にあって、今まで見過ごされてきたのがペットと自動車の関係だ。ペットと一緒に出かけて一緒に野山で遊ぶという生活シーンは多くみられるようになったが、その移動の大部分を占める自動車の中はペットにとってどれだけ快適な空間になっていただろうか。公共交通機関はペット不可の場合も多く、ペットを飼っている人の移動は自動車の割合が多い。
つまり、ペット愛好者と自動車は密接に関わりあっていたということだ。
そこでホンダはペット愛好者に向けてマナー等の情報を掲載したホームページを開設し、それが人気を集めているという。
確かに、車にペットを乗せるときにどうすればよいか、初めての人は迷うに違いない。そこでそれが分かるコミュニティがあれば自然とそこに人が集まるのが道理だ。記事によれば、実際にこのサイトを見て月間100台近くの車が売れているということだからその効果は一台150万円平均としても1億5千万円にものぼる。
感性志向と機能志向という言葉がある。
自動車は長らく機能志向のアピールを続けてきた。しかし、冒頭でも述べたように都会の若者は自動車を買わなくなり、購入そのものが目的ではなくなりつつあるという現状で国内販売を伸ばすための打開策を各メーカーが模索しつつある。
今回の事例に限らず、今までデザインや機能性、先進性を売り文句にするのではなく、明確にその利用シーンを打ち出すようになってきつつある。 今回のペット愛好者にファンになってもらうという顧客の感性に訴えることが成功につながっている。
ブルーオーシャン戦略の著書の中にも、メキシコのコンクリートメーカーが地域の古い風習を元にコンクリートを機能としてではなく新しい家を建てるためのプレゼントとして提案して大成功を収めた事例があるし、最近では任天堂のWiiも同様に機能志向から離れて家族団らんや友達との交流という感性に訴える戦略で大きな成功を収めている。
ネットの口コミが大きな力を持つようになった今日、真面目に感性に訴える企業姿勢が共感を呼び大きな市場を呼び込むケースが多くなってきた。消費者を自社のファンにするには単にお飾りで感性に訴えるだけでは逆効果だ。「真面目に」とわざわざ明記したこの言葉が今一番重要である。
さて、自社、そして自分自身はどうだろうか。 毎日が反省の日々である。
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