先日のブログで、納豆がスーパーから消えるというニュースをマーケティングの効果という点で好意的に書いた。
その番組での捏造問題が今噴出している。あるあるではなく、発掘!ないない 大事件だ。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/entertainment/broad_casting/?1169368937
マーケティングの成功要因を2つ挙げるとすれば次の2つになるとバズマーケティングで有名なマーク・ヒューズの著書にある。
1.一流の商品を作る
2.1の項目を決して忘れない
確かに、マーケティングの成功は何を差し置いても、商品やサービス自体のすばらしさでなければならない。
そして、その正直さが今マーケティングに一番求められているともいえる。どんなに華やかなCMを作り、店頭でのキャンペーンを行っても、商品自体に問題があったり、魅力がなかったりすれば、それはマーケティングではない。
当然、商品には良い点、悪い点がそれぞれあるはずだ。完璧な商品・サービスなどはこの世には存在しない。でも、「私たちはこれだけはお客様に約束できます」という武士の一分はあるはずだ。
その武士の一分を守り通す事がブランディングであり、マーケティング成功の第一歩となる。
さて、納豆の話に戻ろう。
このテレビ番組が、納豆を生産する食品会社からの圧力によるものであったとすれば、決して許されるものではない。
そうでなくとも許される話ではないが。
詐欺罪の成立要件には次の4つがある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A9%90%E6%AC%BA%E7%BD%AA
- 一般社会通念上,相手方を錯誤に陥らせて財物ないし財産上の利益の処分させるような行為をすること(欺罔行為)
- 相手方が錯誤に陥ること
- 錯誤した相手方が、その意思で財物ないし財産上の利益の処分をすること
- 財物ないし財産上の利益が行為者ないし第三者に移転すること
つまり、相手を嘘の情報で納得させ、相手がその気になり、相手が自分の意思で財産を処分する。そしてそれが行為者や第三者に渡るというプロセスを踏む。ここで、あるある大辞典での納豆ダイエットの捏造事件のプロセスを見てみよう。
1.データを捏造し、あたかも納豆がダイエットに効くという錯誤を視聴者に与える
2.視聴者が錯誤に陥る
3.錯誤した視聴者が納豆を購買する(財産の処分をする)
4.財産が第三者(スーパー・納豆生産メーカー)に渡る
法律家ではないため、実際の判断は行う事はできないが、感覚的には詐欺罪と同等の行為だといえる。
日曜朝の番組でTV演出家のテ○ー伊藤氏が「演出」という言葉で擁護しようとしていた。
確かに商品をできるだけ良く見せたり効果的に見せたりするための演出は必要かもしれない。
しかし、演出にも超えてはならない一線があろうものだ。
好意的な意見より、批判的な意見が100倍早く広まる。
これは誰もが実感することだ。
どんなに着飾っても、どこかでその綻びが見える時代だということを自覚しなければならない。
製作者側もその事は十分に理解していたはずだ。しかし、この世の中、その分かっている事でさえ破らなければならないほどのプレッシャーが番組制作者側にあったのだろう。
不二家の社員も、やむにやまれず、自分の保身のためかも知れないが消費者を欺いてしまった。
このような、末端に無理をさせる企業構造を変革する事が今求められているのではないだろうか。
効率優先で生産性が上がってきた時代はもう終わった。
効率化は、それだけリスクを大きくする要因ともなる時代だ。
効率化とは無縁の社会貢献や従業員への福利厚生。このバランスに長けた企業が成長を約束される。
マーケティングの前にすべきことがある。
社員が誇りと自信を持って働く事のできる会社を作るという事だ。
1000人への広告よりも、1人の従業員の愛社精神。
バズマーケティングはここから始まる。
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