リチウムといえば何をイメージするだろうか。そう。今私が使っているパソコンのバッテリーもリチウムイオンバッテリーで中にはリチウムが入っている。そのリチウム。鉱産資源なので当然採掘が必要だ。現在年間の生産量は21400トン。その内訳ではチリ(8000)、オーストラリア(4000)、中国(2700)、ロシア(2200)、アルゼンチン(2000)といったところだ。
リチウムが注目されているのは電気自動車への利用だ。高出力でコンパクトな電池が開発されればいっきにその可能性は広がっていく。その時にリチウムイオンバッテリーが主流となればまさにこのリチウムは戦略資源として資源保有各国が国有化や輸出制限をしてくるだろう。その時に資源の少ない日本は開発しても生産が出来ないといったことになるかもしれない。
自動車への応用が始まったら、その需要はいっきに膨らむ。既に2004年には1kg1ドルだったリチウムの値段は現在5ドル以上となっている。チベットに固執する中国もその隣の青海にリチウム鉱山があることと無関係ではないのかもしれない。
資源の少ない国である日本はどうだろうか。実は日本は逆に最大のレアメタル資源国なのだ。もちろん自然な鉱脈は少ないのだが、廃棄される電子部品などの中に含まれる希少金属を合計すると、その埋蔵量は金で世界の16%、銀では22%にも及ぶ。その他1%を超える金属も多数あり、まさに黄金の国ジパング。このことを人工鉱床だとか都市鉱山と呼んだりして、最近注目されている。
石油産出国はすでに将来の需要減を見越して、今持っている資金を投資や観光に回してそこでの経済成長を模索している。一方レアメタル産出国は資源ナショナリズムともいえる動きを近年増している。
その中で日本が生き残っていくには、今ある資源を資産として有効活用するという意味からも廃棄電子部品などから特定金属を抽出する技術や、そもそも金属を取り出しやすくする製品開発などを推し進めていかなければならないのではないだろうか。
環境立国というとCo2排出ばかりが問題とされるが、資源の回収・再資源化という問題は地球環境だけでなく日本の競争力そのものとなりうることを世界の動きは示している。
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