動画の魅力について前回語ったのだが、今その動画で商品を売りまくっているジャパネットたかたについて考察した書籍を紹介。
著者の金子氏曰く、現在の消費者はマジックミラー消費が好きだということらしい。つまり消費者側からは説明を聞くが、相手側からアプローチをしてきてもらっては困るという消費者心理だ。
そして、その心理にマッチしたのがテレビショッピングというわけだ。近所のお店の人にあれこれ商品の説明をしてもらったあとで「やっぱりいりません」というのは気が引けるが、テレビショッピングであれば詳細説明を聞いた後でも電話しなければ平気だ。
その中でも売上1000億円以上を誇るジャパネットたかたについては高田社長のキャラクターについて、そのしゃべり口調から音声学の先生も交えて詳細に解説している。
そのジャパネットたかたが最近パソコンを積極的に売っているのは皆さんご存知と思う。そのパソコン販売というのが実はジャパネットの経営戦略の重要な位置を占めているであろうことが指摘されている。
テレビ・ラジオ・新聞と三大メディアは売上高でも苦戦を強いられている昨今、インターネットメディアに関してはいまだ急成長をしている。
ただ、インターネットメディアが急成長しているとはいえ、ジャパネットたかたの商品属性としては機械に不慣れな高齢世帯というのが主要な客層でもある。簡単には以降できない。そこでセットでのパソコンを売り、しかもインターネットの設定までジャパネットがやってくれる。そんなオールインワンパッケージをテレビや新聞折り込みなどの媒体で積極的に展開している。そして、パソコンが売れればどうなるか。
ここからは私見だが、パソコンが売れてインターネットの接続が出来れば、消費者はネットを使えるようになる。しかもその顧客はジャパネットで購買履歴のある顧客だ。インターネット接続の際にブックマークにジャパネットのホームページを入れておけば当然それを見ることは容易になる。そしてインターネットを使えるようになった世帯に対し、ネット販売を強化する。
ネット販売は他の媒体と違い、媒体コスト(枠を押さえるコスト)が比較にならないくらい安価だ。マーケティングにかけるお金が少なくてすむ既存顧客にアプローチするには最適な媒体でもある。こうやってテレビなど高価な媒体を使って集客した顧客のLTV(Life Time Value)をネットにつながるパソコンを買ってもらうことによって向上させるという戦略ということだ。
ブランドスイッチというのはなかなか起こりにくいとも言われる。ネット初心者をつかんだジャパネットは今後その人たちのパートナーとなっていく。三大メディアが凋落した後もジャパネットは行き続けるというシナリオだ。
ジャパネットの高田社長の深慮遠謀というのは実はそこにあるのではないだろうか。
高田社長は私と同じ長崎県平戸の生まれなのでがんばっていただきたいと思っている。私も負けずに頑張ります!
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