「あたらしい広告を提案できない広告会社は生き残れない。」
そういつもおっしゃっていた知り合いの広告代理店社長が倒れたのは1年ほど前だった。勤務中に突然意識を失いあやうく命を落としかけたが幸いに一命をとりとめた。そして、ようやく復帰できるようになったころ、会社の方が倒れてしまった。今年に入ってのことだ。
媒体費用のいくらかを手数料として、そして制作費用をいくらか手数料として取るビジネスモデルの広告会社は中小企業のコストカットの標的となった。インターネットがそれを後押しした。広告の発注自体が難しかった時代、広告代理店はその広告主やクリエイティブ部門をまとめるという事が価値を生み出していた。ところがインターネットが出現し、媒体が、そしてクリエイティブ部門の会社がダイレクトに顧客とコンタクトを取れるようになるとその間を取り持つことの価値がなくなってしまった。
チラシの制作を考てみると分かり易い。デザイナーはインターネットで探せばいくらでも出てくる。その中から提案をさせることは広告主にとってそんなに手間がかかることではない。印刷については印刷会社にデータを送れば折り込みセンターまでの配送までやってくれる。ここに広告代理店の入る隙は無い。
Web制作についても同じだ。インターネットで探せば優秀な制作会社は数多く見つかる。提案力もネットを知らない広告マンよりは格段に上だ。やはりここにも広告代理店の入る隙は無い。
テレビやラジオはどうか。地方のテレビ曲・ラジオ局は今危機に瀕している。だからなおさら局自体の営業部門が力を入れている。広域ではないし、テレビやラジオに広告を出せる企業の数も知れている。ターゲットが明確な分ここにも広告代理店の入る隙が無い。ナショナルブランドにいたっては地方の広告代理店が入る余地は無い。
それでも景気の良い地方の広告代理店は存在する。一つは通販系のクライアントを一手に握っている代理店だ。10000の商品の内900円が原価の平均だ。そして30%~40%の広告宣伝費を投じるというビジネスモデルであるからその広告を扱う代理店にとっては大きなクライアントだ。その外にもマンションデベロッパ等広告費を大量に投じている企業と組むことで安定した利益を上げている代理店は存在する。
クライアントの社員では絶対に出来ない、広告代理店にしか出来ないものを持っているかどうか。これが生き残るか否かの分かれ道だ。広告主の思いつかない費用対効果の高い広告を常に提案する企画力もやはり重要だろう。これはいつの時代もかわらない。「自分でやったほうが安いし。」と思われたら最後だ。
もはや大きな媒体を押さえているというだけのいわゆる「利権」での営業はもはや難しいということかもしれない。しかも変化のスピードは速く、10年前に主流だった媒体は既にマイナーな存在となるかもしれない。その上に胡坐を書いていれば当然売上はジリ貧だ。
インターネットに対する知見も必要だ。今ユーザーが何を求めているのか。綺麗なホームページを地方の中小企業に求めるのは筋違いだ。数千万円~数億円かけたウェブサイトが同じ条件で見られるのだから競争にならない。それよりもターゲットに一番近づける手法は何かもう一度考え直さなければならない。
企業の宣伝担当の人も今はほぼ同じ情報を手にしているといっていいだろう。むしろその業界に特化している分知識は厚いかもしれない。今までの営業ではもはや広告代理店は生き残れない。ナショナルブランドを抱える大手代理店以外の地方の広告代理店には淘汰の波が押し寄せている。
地方の印刷会社などはまさに「危機的状況」にありますね。
SP代理店よりも数が多いし、もともと「名刺屋さん」的な零細な店舗が
多かったためか、いきなり提案力をつけろといわれても無理があるようです。
意識を変えた会社は業務内容の見直しを行ったり、生き残りをかけて、新しいマーケットへの参入を画策したりしています。
弊社もいくつかそういうところと提携して資材やノウハウのサプライを行っています。
投稿情報: クリエイティブ田作健一 | 2008/03/25 21:23
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投稿情報: Daniel France | 2010/05/02 06:34