選挙で当選するための要素として古くから言われているものが
「地盤」「看板」「かばん」の三つの「バン」である。
ただ、近頃の選挙にはこの三つのバン以外にあと二つバンが必要になってきた
それが
「評判」「番組」だ。
地盤・看板と公共事業の誘導などが効果的に動いていた時代と違い、今は業界を挙げて組織的に投票行動を起こすということが少なくなってきたそうだ。実際にテレビ番組の中でも組織として動かない建設業界の様子などが取り上げられている。
一方、党首を含め議員のテレビ出演というのは以前に比べて飛躍的に増えたのではないだろうか。
各生番組をはしごするなんていうことも珍しくなくなってきた。
レピュテーションマネジメントという言葉がある。
評判をマネジメントして良い評判を作り上げる方法論だ。
ただ、良い評判を作るといってもうわべだけ飾ってよく見せるという戦術は全くの逆効果だ。
結局真実はわかってしまう。 もはや嘘のつけない時代だといっても良い。
そんな嘘のつけない時代に不祥事や不利なことが起こったらどう対処すればよいか
ロナルド・J・オルソップ氏は著書「レピュテーションマネジメント」の中で評判とは危機そのもので落ちるのではなく、その危機をいかにして乗り越えるかにかかっているという視点から危機に際しての対応方法を具体的事例を交えて解説している。
つまり、危機は起こるものという前提をまず持つこと、それをいかに乗り越えるかという戦略を持つことが重要なのである。傷ついたヒーローほど人は熱狂するものだ。
政治についても同じくレピュテーションマネジメントは有効だ。
社会保険庁の不祥事に対してどのように対応し、どのように処分を下し、どのように未来の姿を描くか、その一挙手一投足を国民は見ている。
過去にはもう戻れないのだから責任のなすりあいはマイナスにしかならない。
選挙で勝つには「地盤」「看板」「かばん」もあるに越したことはないが
・テレビ番組で自らの主張を淀みなく発言できるプレゼンテーション能力(番組)
・あらゆる広報媒体を通じて評判をコントロールするマネジメント能力(評判)
この二つバンを制する者が選挙の勝者となる時代だといえる。
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